スマホの通信費用が安くなるということで注目を浴びてきている格安SIMですが、やはりメリットだけではなくデメリットも存在します。格安SIMに乗り換えた後にあわてないよう、デメリットをなるべく詳細に紹介していきます。
目次
格安SIMのデメリット
格安SIMのデメリットを挙げていくと以下の通りになります。リンクをクリックすると、各項目に移動します。
- 料金の支払いがクレジットカードのみの場合が多い
- 通信速度が遅くなる
- 通話料金が高くなる場合がある
- キャリアが提供するサービス・キャリアメールが使えない
- LINEのID検索が利用できない
- 一部機種でテザリングが使えない
- サポートが少ない
- 初期設定を自分で行う必要がある
- 対応バンド(周波数帯)を気にする必要がある(Android)
いずれも気にならないのなら、格安SIMに乗り換えても特に問題ないでしょう。気になる内容がある場合は、本当に必須か、他に代替できるものはないのか考え、問題ないようであれば格安SIMに乗り換えましょう。
料金の支払いがクレジットカードのみの場合が多い
格安SIMでは、料金の支払いがクレジットカードのみという会社が多いです。クレジットカードでの支払いであれば、利用者の料金の支払いが滞った場合に回収するコストが低い、クレジットカードを持てる=支払い能力に対してある程度の信用ができるといった理由があります。
口座振替やデビットカードでの支払いができる事業者もありますが、実店舗で契約する必要があったりサポートセンターに電話をする必要があったりする必要があるところがほとんどです。以下の記事でクレジットカードなしで契約できる格安SIMをまとめていますので参考にしてみてください。
通信速度が遅くなる
格安SIMでは、多くの人が通信をする時間帯(特に平日の昼間)に通信速度が遅くなる傾向があります。格安SIMは大手キャリアの回線の一部を借りてサービスを提供しているので、一度に多くの人が利用すると通信速度が遅くなります。
通信速度が遅いという悪評が定着するとユーザーが離れて行ってしまうので、格安SIM事業に力を入れている会社は回線の増強を定期的に行っています。そうした事業者の格安SIMは比較的安定した通信速度が出ています。反対に、設備増強に積極的でない場合は、サービス開始直後は利用者が少なく通信速度が速くても、利用者が増えるにつれて通信速度の低下が起こりやすくなっていきます。
ただし、回線の増強を行っていても平日昼間の混雑時は速度低下は起こります。平日昼間でも速度低下が気にならない(気付かない)レベルの通信速度を求めるのであれば、大手キャリアがサブブランドとして提供しているUQ mobileやY!mobileを選択するとよいでしょう。
通話料金が高くなる場合がある
格安SIMでかけ放題オプションをつけず、また、専用の通話アプリを利用せずに通話した場合、20円/30秒の通話料金がかかります。以前は、かけ放題のオプションが用意されていることが少なかったため、「格安SIM=通話料金が高い」だったのですが、現在はかけ放題オプションやプレフィックス番号を利用した専用通話アプリがあるため、「高くなる場合がある」という表現にしています。
主要格安SIMのかけ放題オプションは800~850円で1回10分以内の国内通話がかけ放題となっていることが多いです。時間無制限の国内通話かけ放題が欲しい場合は、Y!mobileが候補となります。Y!mobileはオプションなしで10分以内のかけ放題が付き、月+1000円で時間制限なしのかけ放題にすることができます。
また、格安SIMの多くは専用の通話アプリを用意していて、通話アプリからの通話の場合は通話料金が半額(10円/30秒)となります。通話アプリを利用しなくても専用のプレフィックス番号を電話番号の前につければ通話料金が安くなるのですが、専用通話アプリでは自動でプレフィックス番号をつけての発信となります。
かけ放題とプレフィックス番号については、以下の記事で説明していますので確認してみてください。
キャリアが提供するサービス・キャリアメールが使えない
大手キャリアとの契約を解約して格安SIMを契約するので、当然キャリアが提供していたサービスやキャリアメールが使えなくなります。特に中高年層でキャリアメールがネックとなる人がいるのではないでしょうか。
メールアドレスは基本的にGmailなどのフリーメールアドレスを利用することになるのですが、キャリアメール同士でやりとりしている相手がいる場合、フリーメールでは迷惑メールフィルターに引っかかって相手に届かなくなってしまいます。そうした場合は、事前にメールアドレスの変更を伝えておいて、相手にフィルターにかからないよう設定してもらう必要があります。
キャリアメール宛にメールを送る必要があり、フィルター設定変更の依頼も難しいという場合は、Y!mobileかUQ mobileを検討してください。Y!mobileは無料で「~@ymobile.ne.jp」というキャリアメールが使え、UQ mobileは月額200円で「~@uqmobile.jp」というキャリアメールと同じように使えるメールアドレスが使えます。
LINEのID検索が利用できない
格安SIMではLINEモバイルとY!mobileを除いてLINEで年齢認証を行うことができず、結果としてID検索を利用することができません。LINEでのID検索が必須であるのなら、LINEモバイルかY!mobileと契約することとなります。
ID検索以外で友だちを登録する方法としては、近くにいる場合は「ふるふる」か「QRコード」、離れている場合は「招待」からSMSかEmailを送り、相手に追加してもらいましょう。
一部機種でテザリングが使えない
ドコモで発売されたAndroid端末にドコモの回線を利用した格安SIMを入れている場合や、UQ mobile以外のau回線を利用した格安SIMをiPhoneに入れている場合、UQ mobileでiPhone 7以降のiPhoneを利用する場合などはテザリングを利用することができません。また、ソフトバンク系の格安SIMも日本通信系を除きテザリングは利用することができません。ただし、Y!mobileはテザリング可能です。
テザリングを使いたい場合は、SIMフリーのAndroid端末に格安SIMを入れて使うか、iPhoneにドコモ回線を利用した格安SIMかY!mobile、UQ mobile(iPhone7以降は不可)、b-mobile Sを入れて使うのがよいでしょう。
サポートが少ない
大手キャリアであれば、全国各地にあるショップに行けば契約や修理の受け付けなどを対面で相談することができますが、格安SIMは電話やメール、公式サイト上のチャットでの連絡が基本となります。大手キャリアのようなショップを展開しているところもありますが、Y!mobileを除くと数は十分ではありません。また、イオンモバイルも全国のイオンで契約の受け付けや修理の受け付けを行ってくれるため、安心感があるかもしれません。
格安SIMを利用していて、使っている端末が壊れてしまった場合は、その端末を購入した店に相談するか、販売元メーカーに直接連絡して修理を依頼することとなります。端末補償サービスのオプションをつけている場合は、条件はありますが、契約している格安SIMの事業者に連絡することで、修理の受け付けを行ってくれます。
初期設定を自分で行う必要がある
キャリアでスマホを購入した場合は、通信できるまでの設定をキャリアの店員が案内してくれますが、格安SIMの場合は自分で設定を行う必要があります。
スマホにSIMを装着して電源を入れるだけでは通信できるようにならず、APN(アクセスポイント名)の設定を行う必要があるのです。利用する端末によっては主要な格安SIMのAPNが事前に設定されていて、一覧の中から選ぶだけで済む場合もありますが、設定されていない場合は、Androidの場合は接続情報の入力、iPhoneの場合はAPN構成プロファイルのダウンロードを行ってください。
初期設定とかAPNとか聞くと難しく感じてしまうかもしれませんが、各格安SIMの事業者が案内する手順の通りに設定すれば、特に悩むことなく設定することができます。ただ、iPhoneの場合、APN厚生プロファイルのダウンロードが必要なので、Wi-Fiが利用できる場所で初期設定を行う必要があります。
対応バンド(周波数帯)を気にする必要がある(Android)
Android端末を利用する場合は、スマホが対応しているバンド(周波数帯)を気にする必要があります。対応バンドがあまりあっていないものを購入すると電波をつかみにくくなります。iPhoneはドコモ、au、ソフトバンクの3キャリアのバンドに対応しているので、格安SIMでもとくにバンドを考えることなく利用できます。
Android端末を利用する際で、特に気を付ける必要があるのは、au系の格安SIMを利用したいという場合です。日本向けの販売に力を入れていない端末だと、au系のSIMのみ非対応というSIMフリースマートフォンもいくつかあります。
格安SIMとセットで販売しているスマートフォンであれば問題なく電波をつかみますが、そうでないものの場合は、各事業者の動作確認済み端末一覧を確認してから購入するようにしましょう。
以上、格安SIMのデメリットを紹介しました。いろいろと書きましたが、多くの人にとってまったく許容できないというほどのものではないと思います。大手キャリアの場合は何も考えずに快適なサービスを受けられる代わりに月額料金が高くなっています。それに対して、格安SIMは料金が安い代わりに、自分で調べたりお昼の通信速度を我慢したりする必要があります。デメリットを把握して、これくらいなら問題ないと思うのなら、格安SIMの契約を検討してみてはいかがでしょうか。