格安SIMの通信速度について
重要なのは実効速度
格安SIMは特に昼間などの混雑時の通信速度が遅いと聞いたことがありませんか?しかし、各MVNOの公式サイトを確認すると、ドコモやauと同じような通信速度が記載されています。実は、大手キャリアや各MVNOの公式サイトに記載がある通信速度は、ベストエフォートによるもので「理論上の最高速度」を表しています。しかし、普段利用していて実際にこの通信速度が出ることはありません。そこで、格安SIMを選ぶ際に重要となるのが実効速度です。
実効速度とは、実際に通信する際の通信速度で、利用する場所や時間帯、端末など利用する環境によって異なります。そのため、実効速度を計測して公表しているサイトなどのデータは一つの目安にすぎません。しかし、格安SIMの通信速度は回線の増強にお金をかけているのかによって大きく左右されることから、長期的なデータを見ることでどの程度快適に利用できるかの傾向は把握できます。お昼の通信速度がある程度確保されている状態が長く続いているSIMは、ユーザーのことを考えて回線にお金をかけているMVNOです。反対に、回線速度がずっと下落傾向にある場合は、通信速度についてはあまり望まない方が良いでしょう。
実際に何Mbps必要?
各社公式サイトには数百Mbpsの通信速度がかかれていますが、大手キャリアの実効速度は数十Mbpsです。対して格安SIMの実効速度は、非混雑時で10Mbps台、混雑時は0.4Mbps~2Mbps程度です。しかし、キャリアの通信速度が30Mbpsで格安SIMの通信速度が1Mbpsの場合、キャリアのほうが30倍快適かというと、そういうわけでもありません。確かに、数値の上では30倍通信速度が違うのですが、ある程度以上は体感できるほどの差はなくなります。
その境となるのは、データ容量にもよって変わります。LINEでのテキストベースのやりとりであれば、0.5Mbps程度でも問題なく利用できますし、アプリのダウンロードであれば3Mbps以上あった方が良いでしょう。高画質の動画でさえなければ、1Mbps程度の通信速度でも問題なく動画も見ることができます。
ちなみに、事前にデータの容量と通信速度が分かっていれば、大まかにかかる時間がわかります。通信速度は基本的にMbpsで表されますが、これは、1秒あたりに何Mビット転送できるかを表します。バイトではなくビットであることに注意が必要です。「1バイト=8ビット」で換算することができます。ここから計算すると、1Mbpsの通信速度が出ていれば、大体1秒間に125KB(キロバイト)のデータを転送することができます。
実効速度比較サービス
それでは実効速度を知るためにはどうすれば良いのでしょうか。最も簡単な方法が、実効速度について調査しているサイトを見てみることです。格安SIMの実効速度を定点計測して公表しているサイトはいくつかありますが、その中でも視覚的にわかりやすいサイトを紹介します。
そのサイトが、eConnect Japan株式会社が運営するサービス「mobile by keisoku.io」です。こちらは、神戸市中央区で定点観測した結果を公表しています。基本的に有名どころの格安SIMの通信速度の計測データは公表されているので、一度参考にしてみるとよいと思います。
こちらのサイトでは、お昼にどの程度速度が落ち込むのかなどの確認ができ、また、通信速度のランキングも確認することができます。ただし、たまたまその日だけ速いという可能性もあるので、気になっているSIMについては過去の通信速度についても確認しましょう。
- 計測場所:神戸市中央区
- 計測頻度:通常は1時間ごと、お昼の混雑する時間帯は15分ごと
- 計測端末:Zenfone 3 Laser
- 計測方法:eConnect Japan株式会社が開発したAndroid用計測アプリケーション