格安SIMって何??
格安SIMは名前の通り、大手キャリアよりも安い携帯料金で通信サービスを提供している通信事業者、あるいは安い携帯料金で提供される通信サービスです。日本国内は1,128(出典:総務省 2020年3月末時点)の格安SIMが通信サービスを提供しています。
格安SIMの仕組みは??
それでは格安SIMは具体的にどういった存在なのでしょうか。確認してみましょう。
SIMカードって何??
格安SIMの「SIM」はSIMカードのことを指しています。SIMカードとは、スマホに装着されているICカードのことです。SIMカードにはそれぞれスマホ利用者の識別番号や電話番号などの情報が記録されており、それを基に電話やメールなどを行っています。
大手キャリアや格安SIMといった通信事業者と契約を行う際、必ずこのSIMカードが渡されます。SIMカードをスマホに装着するとスマホで通信を行えるようになります。逆に言えば、SIMカードがないとWi-Fiなど無しにスマホ単体で通信を行うことはできません。
格安SIMと大手キャリアの違いは??
格安SIMは、MVNOと呼ばれる通信事業者によって提供されています。MVNOとは、正式名称は「Mobile Virtual Network Operator」で、和訳すると「仮想移動体通信事業者」です。一方で、大手キャリアのことをMNOと呼びます。MNOは、「Mobile Network Operator」の略で、和訳すると「移動体通信事業者」となります。ちなみに現在MNOは、ドコモ、au、ソフトバンク、最近では楽天モバイルの4社を指しています。
この両者の違いは、自社で通信設備を保有しているかです。MVNOは通信設備を保有しておらず、MNOから通信設備を借りて通信サービスを提供しています。自社で通信設備を保有していないため、MVNOには「仮想」という文字が含まれています。
どうして安くできるの?
MVNOが提供する格安SIMはどうして料金を安くできるのでしょうか、その理由は大きく分けて3つあります。
1.通信設備の開発費・維持費がかからない
MVNOは通信設備を大手キャリア(MNO)から通信設備を借りているので、アンテナや基地局の整備といったコストがかかりません。大手キャリア3社は通信品質を向上させるために毎年3000億~6000億円を投資し続けています。MVNOが通信設備を借りるのにはもちろん費用がかかりますが、年間数千億の投資をし続けるのに比べると安価にできます。
2.実店舗を持っていない(少ない)
大手キャリアでは、契約などの手続きや故障の修理受付などを全国各地に出店したショップで行うことができます。ショップを多く出すとその分、地代や人件費などが大きくかかります。それに対して、MVNOは、基本的にオンラインチャットやコールセンター、メールなど、WEB上のやり取りがメインです。そのため、人件費や店舗の賃料がかからないので、大手キャリアよりも携帯料金を安く設定できます。
3.競争が激しい
キャリアは4社間での競争ですが、格安SIMを扱うMVNOは1,128社あります。キャリアから格安SIMへと変更する人が増えてはいますが、全体の携帯利用者数は限られているため、MVNO各社はサービス内容の拡充でシェアを競っています。月額料金を安くする、特定のサービスの通信量をカウントしない、使った分だけ支払う従量制料金にするなど、各社独自の戦略を取っています。
格安SIMのメリット
格安SIMに変えることでどのようなメリットがあるのか紹介していきたいと思います。
1.月額料金が安くなる
格安SIMに変える一番のメリットは、「格安」という名前の通り月額料金が安くなることです。MMD研究所の2019年スマートフォンの利用料金に関する調査では、大手キャリアの月額料金の平均額が8,451円なのに対して、格安SIMの月額料金の平均額は2,753円と約5,500円安くなっています。格安SIMに乗り換えるだけで、月額5,500円、年間6万6千円はお得な節約方法ではないでしょうか。
2.2年縛りがない
格安SIMの多くは、キャリアのような自動更新の2年縛りのプランはありません。2019年10月の総務省の法改正後、多くの格安SIMで2年縛りの撤廃や解約手数料の引き下げが行われました。ただし、一部の格安SIMにはキャリアと同じように2年縛りとなるプランも存在しますので、契約前には条件をよく確認してください。
3.料金プランが豊富
格安SIMは各社ごとに特色のある料金プランを提供しています。月に使える高速通信容量が1GB単位で細かく分かれている、使った分だけ支払う従量制のプランになっている、通信速度が制限される代わりに無制限に通信できるなど、自分のスタイルに合った料金プランを選択しやすくなっています。
4.オプションが豊富
格安SIMでは各社独自のオプションを提供しています。特定アプリのデータ通信量をカウントしないカウントフリーオプションや、通話の最初の10分間の通話料を無料にするオプションなどあります。
格安SIMのデメリット
メリットだけではなく、どのようなデメリットがあるのかも把握しておきましょう。
1.初期設定は自分で行う必要がある
大手キャリアでは契約時やスマホの買い替え時に、店舗でスタッフが初期設定を行ってくれましたが、格安SIMでは自分で行う必要があります。SIMカードをスマホに装着したり、通信設定を行ったりする必要があります。
ただ格安SIMで初期設定を行う場合、マニュアルが送られてくるのでこちらを参考にすれば簡単に初期設定を行うことができます。
2.混雑時に通信速度が遅い
格安SIMは通信できるエリアはキャリアと変わりませんが、通信速度はキャリアと比べると遅くなる傾向があります。特に、多くの人がスマホを利用するお昼の時間帯や通勤・帰宅の時間帯は速度低下が目立ちます。なぜ通信速度が低下するのかはこちらをご確認ください。
格安SIMによっても通信速度には違いがあります。格安SIMの中でも、UQモバイルやY!モバイルは通信速度が大手キャリア並みに安定しています。通信速度を気にする場合は、こういった格安SIMを選ぶとよいでしょう。
3.直接のサポートを受けにくい
格安SIMは実店舗を持っていない、または少ないため大手キャリアのように直接のサポートが受けにくいです。そのため、スマホのトラブルなどが起こった際、直接見てもらいにくいです。普段よくサポートを受けている方は注意が必要です。
現在格安SIMはWEB上でのサポートに力を入れているので、チャットや電話などでトラブルを解決することができます。
デメリットはあるものの、それを理解して使えば特に問題ないものばかりです。その他のデメリットについてはこちらの記事にまとめています。多くの人には大きなデメリットとはならない内容だと思いますので、格安SIMへの変更をぜひご検討ください!