格安SIMに変えるとして気になるのが、実際の通信速度です。各社の公式サイトでは最大225Mbpsなどと表記されていますが、これはあくまでも理論値です。キャリアのスマホの実測値も225Mbpsよりかなり低い数値です。しかし、多くの人から不満が出ているわけではなく、225Mbpsもの通信速度は実際に出る必要はないと言えるでしょう。
それでは、キャリアのSIMと格安SIMの実際の速さはどのくらいなのか、どのくらいの速さが出ていれば、不満なく使うことができるのか確認していきます。
実際の通信速度は?
実際の通信速度を測るには、スピードテストのアプリを使つと分かりやすいです。多くの人が利用するため回線が混雑しているお昼などの時間帯では通信速度が遅くなり、利用が少ない深夜などは通信速度が速くなるので、異なる時間帯で複数回計測するとより実感に近い数値が得られます。
なお、スピードテストアプリの通信を他通信より優先させることで、実際より速く見せかけることも可能なので、あくまでも参考値とする必要があります。
この数値を基とすると、キャリアは20Mbps~60Mbpsほどで通信できています。場所によっては10Mbps前後まで落ちることはありますが、この数値であっても特に不便を感じることなく使えることができます。
対して、格安SIMは混雑する昼の時間帯は1Mbpsを超えないものが多数あります。通勤・通学の時間帯と帰宅の時間帯は昼に次いで通信速度が遅く、1.5Mbps程度で、その他の混雑していない時間帯は数Mbps~20Mbpsで通信ができます。
Mbpsとは何か
通信速度の記載はMbpsという単位でなされていることが多いです。しかしMbpsがいったい何なのかなじみがない人には分からないと思います。そこで、Mbpsについて少し解説を加えます。
まず、MbpsはMとbpsに分かれます。Mはメガ(基礎となる単位の10の6乗倍の量を表す)です。通信容量やデータの容量などでMB(メガバイト)といった表記を見たことがあると思いますが、これのMと同じです。
つづいて、bps(ビーピーエス)ですが、これはbit per secondの略で、1秒ごとに何ビット通信できるかを表しています。1バイト=8ビットなので、1Mbpsは1秒間に1メガビット(Mb)=1/8メガバイト(MB)=125キロバイト(KB)通信できるということを表しています。
ちなみに、通信速度がもっと遅い場合にはkbps(キロビーピーエス)、もっと速い場合にはGbps(ギガビーピーエス)のようにMの部分が変わって表記されている場合があります。kbpsの例としては、キャリアで通信速度制限がかかったときの最大128kbpsなどがあり、Gbpsの例としては光回線の最大1Gbpsなどがあります。
どれくらいの速さがあればよいか
格安SIMの通信速度が一桁のMbpsだから全く使えないかというと、そうではありません。画像を大量にはってあるサイトでなければ、1Mbpsも出ていれば十分な速度で閲覧することができます。1Mbpsを切っていても、0.5Mbps以上あれば数秒余分に待つ程度で閲覧することができます。2Mbps以上は体感的にあまり変わらないでしょう。
動画を見る際も、1Mbpsあれば十分に見ることができます。(高画質で見るのは難しいでしょう)。低画質で良いのであれば、0.7Mbpsほどでも動画を見ることができます。0.5Mbpsを切る場合は快適に動画を見るのは難しいと思います。
なお、大きなサイズのアプリを昼にダウンロードするのはあきらめた方がよいでしょう。都心であれば、近くのコンビニまで行ってWi-Fiにつなげたほうが早いです。
混雑時間帯 | 空いてる時間帯 | |
---|---|---|
LINE(トーク)やメール | ◎ | ◎ |
テキスト中心のWebページ | ○ | ◎ |
画像中心のWebページ | △ | ○ |
YouTubeなどの動画 | △ | ○ |
アプリダウンロード | × | △ |
格安SIMの場合、キャリアのサブブランドであるY! mobileやUQ mobileを除いて平日の昼間は通信速度がかなり低下しますが、遅いのを多少我慢すればサイトをみたりTwitterをしたりするくらいであれば問題なく使えます。
昼の時間帯でも動画を快適に見たいという人やWi-Fiにつなぐことができる場所が近くにないけど昼にアプリをどうしてもダウンロードしたいという人は、キャリアと契約するかY! mobile、UQ mobileと契約するのがよいと思います。