SIMフリーのスマホを購入するときに忘れてはいけないのは対応バンド(周波数帯)の確認です。スマホが対応している周波数帯と通信に使う周波数帯があっていないと電波の入りが悪くなったり、最悪電波がまったく受信できなかったりします。そういう事態に陥らないように、対応バンドの知識を身に着けておきましょう。
対応バンドとは
ドコモ、au、ソフトバンクなどのキャリアは、それぞれ総務省から通信をするための周波数帯が割り当てられています。一方、スマホの方はすべての周波数帯で通信ができるように対応しているわけではありません。ここで、対応バンド(周波数帯)の話が出てくるのです。
キャリアで発売されているスマホはその会社の周波数帯で通信ができるように作られているので、そのキャリアで利用する分には何も考えずとも利用できます。しかし、SIMフリーのスマホは日本での販売を意識して作られた場合は除いて、日本のキャリアのことを考えて作られているわけではありません。そのため、対応バンドが合わずに利用することができないということが起こりうるのです。なお、キャリアで販売されているスマホのSIMロックを解除して、別のキャリアのSIMで使う場合も同じ問題が発生します。
各社が割り当てられているLTEの周波数帯は以下の表のようになっています。◎が対応していることが重要なバンドです。
LTEバンド | 周波数 | ドコモ | au | Softbank |
---|---|---|---|---|
バンド1 | 2.1GHz | ◎ | ◎ | ◎ |
バンド3 | 1.7/1.8GHz | ○ | ○ | |
バンド8 | 900MHz | ◎ | ||
バンド11 | 1.5GHz | ○ | ||
バンド18 | 800MHz | ◎ | ||
バンド19 | 800MHz | ◎ | ||
バンド21 | 1.5GHZ | ○ | ||
バンド26 | 800MHz | ○ | ||
バンド28 | 700MHz | ○ | ○ |
LTEバンド1は3キャリアすべてが利用していて、世界でも利用している国が多いため、日本で出回っているスマホは対応しています。そのため、バンド1が届かないような場所を除けばまったく通信できないということはまずありません。しかし、より多くの周波数帯と一致している方が使い勝手が良いのは間違いないです。
次に、3Gで割り当てられている周波数帯についても表でまとめます。3Gの規格はドコモとソフトバンクが使っているW-CDMA(UMTS)とauが使っているCDMA2000がありますが、auのCDMA2000は世界的にはほぼ使われていない規格で対応しているSIMフリースマホも少ないため、W-CDMAのみまとめます。
W-CDMAバンド | 周波数 | ドコモ | ソフトバンク |
---|---|---|---|
バンド1 | 2.1GHz | ○ | ○ |
バンド6 | 800MHz | ○ | |
バンド8 | 900MHz | ○ | |
バンド9 | 1.7GHz | ○ | |
バンド11 | 1.5GHz | ○ | |
バンド19 | 800MHz | ○ |
周波数帯ごとに違いはある?
周波数の違いは通信速度と電波の届きやすさに違いが生まれます。大雑把に周波数が高いと速度が速くなり、周波数が低いと電波が届きやすくなります。
3キャリアが利用するバンド1(2.1GHz)は速度が速く、また、日本全国に基地局があるので広いエリアで快適に利用できます。また、海外でも広く利用されているので、海外製のSIMフリー端末でもこのバンドに対応しているスマホが多いです。なお、日本では2.1GHzではなく2GHzと称されることもありますが、特に気にせず同じものと考えてよいでしょう。
一方で、山間部などバンド1では対応しきれない場所もあり、そのような場所のために周波数が低い800MHz帯や900MHz帯が整備されています。この周波数帯に対応していないと、山間部で電波が入りづらくなります。また、都市部であってもビル街のビルの中など遮蔽物が多い環境ではこの周波数帯が重要です。
対応バンドはどこで確認すれば良い?
キャリアが通信に利用している周波数帯に対応していないと電波をつかみにくいことがわかりましたが、それではどこでスマホの対応バンドを調べればよいのでしょうか。
スマホを買う時にスペック表を気にする人であれば、スペック表を見れば対応バンドが載っています。「周波数帯(バンド)」や「通信方式」などと書かれた項目を見ればわかります。スペースの節約のためにFDD-LTE:B1/B3などと書かれていることも多いです。B1はバンド1のことです。また、LTEのバンドは2つに区切られていて、バンド1からバンド32をFDD-LTEと呼び、バンド34からバンド44をTD-LTEと呼びます。
スペック表を見ることが難しい場合で使いたい格安SIMが決まっている場合は、格安SIMの動作確認済み端末を確認するのもよいでしょう。スマホが対応しているバンドを詳細に知ることはできませんが、動作確認済み端末の中に入っていれば、そのSIMで通信することができるということはわかります。対応バンドを知りたいのは通信できるか否かを知るためなので、この方法でも問題ないです。
いろいろ考えるのが面倒だという人は、格安SIMとセットで売っているスマホかiPhone(ただしiPhone5以前は除く)を使いましょう。セットで販売しているスマホは、当然その格安SIMで通信できることが確認されています。また、iPhoneは3キャリアで販売していることからもわかるとおり幅広いバンドに対応しているので、SIMフリーあるいはSIMロック解除済みであれば問題なく利用できます。